直売・贈答の注文受け
LINE・電話の贈答注文を打ち直さずに送り状にする方法
「いつもの人たちに、今年もりんごを送ってね」。LINEや電話で届く贈答の注文は、届け先が何軒もあり、書き方も人それぞれです。それを送り状ソフトの画面に1件ずつ打ち直すのは、時間がかかるうえに写し間違いの元になります。打ち直しを減らすための、注文の受け方と表の作り方をまとめました。
先に結論
- 注文は届け先1件=表の1行にまとめます。送り状ソフトに入れるのは、この表です。
- LINEのお客さまには書き方の見本を送っておくと、そのまま表に貼れる形で届きやすくなります。
- 電話の注文は、表の列と同じ順番で聞き取ると、あとで並べかえる手間がなくなります。
- ヤマトのB2クラウドは「新規レイアウト」、佐川のe飛伝Ⅲは「独自テンプレート」で、自分の表の並びを覚えさせられます。毎年同じ表のまま取り込めます。
1打ち直しが起きる理由
送り状ソフトの入力画面は「1枚の送り状」を作るためのものです。贈答の注文は「1人のお客さまから、届け先がたくさん」なので、画面の形と注文の形が合いません。そのため、メッセージを見ながら1件ずつ入力し直すことになります。
どの運送会社の送り状ソフトにも、表のデータをまとめて取り込む機能があります。注文を一度だけ表の形にすれば、あとは取り込むだけです。運送会社ごとの取り込みの手順はお歳暮の送り状を一括で作る方法にまとめています。
2LINEのお客さまに送る「書き方のお願い」
注文の季節の前に、次のような見本を送っておきます。項目の名前を毎回同じにしておくと、表に貼るときに迷いません。
お願い文の見本(そのまま使えます)
- 郵便番号を必ず書いてもらいます。住所の確認に使え、入力のまちがいにも気づきやすくなります。
- 建物名・部屋番号は住所と別に聞きます。送り状ソフトでは、住所と建物名で入る欄が分かれているからです。
- 届け先の電話番号も聞いておきます。ヤマトのB2クラウドでは、お届け先の電話番号が宅急便の必須項目です。
- お届け日は「12月10日ごろ」より「12月10日」と日付で。時間帯は運送会社によって選べる枠が違います(ヤマトには12〜14時の指定がありません)。
3届いたメッセージを表にする
見本どおりに届いたメッセージは、項目をひとつずつ表の列に移すだけです。1件分のメッセージが、表の1行になります。
- ExcelかGoogleスプレッドシートに、上の図の列(名前・郵便番号・住所・建物名・電話番号・品名・個数・日付・時間帯)と、ご依頼主の列(名前・郵便番号・住所・電話番号)を作ります。
- メッセージをコピーします。スマホではメッセージを長押しして「コピー」。パソコン版のLINEを使えば、パソコンの表にそのまま貼れます。
- 届け先ごとに1行ずつ、値を列に貼ります。ご依頼主の列には、同じ人の注文なら全部の行に同じ内容を入れます。
- 「様」「〒」「TEL」などの飾りの文字は消します。住所の途中のスペースも消します。
- 郵便番号と住所が合っているか、日本郵便の郵便番号検索などで確かめます。
「去年と同じ5人に」「〇〇さんちは引っ越したから新しい住所は…」のような注文は、表にする前に、去年の表と照らし合わせて抜けや変更がないかを電話かLINEで確かめます。あいまいなまま送り状を作るより、確認のひと手間のほうが結局早く済みます。
4電話・FAXの注文の聞き取り方
電話で受けた注文をメモ用紙に書き、あとで表に写すと、写す手間と読み間違いが増えます。表の列と同じ順番の聞き取り用紙を作って、それに書き込むのがおすすめです。パソコンの前で受けられるなら、表に直接入力します。
- ご依頼主:お名前と電話番号(去年のお客さまなら、去年の住所のままでよいか)
- お届け先のお名前:漢字も確かめます。「たかはしさんの『たか』は、はしごの高ですか」
- 郵便番号:わからなければ住所から調べると伝えます
- 住所:番地は「2の31の24」のように区切って復唱します
- 建物名・部屋番号:「マンション名はありますか」と必ず聞きます
- 電話番号
- 品物と個数、お届け日と時間帯
- 最後に、届け先の数と合計の箱数を読み上げて確かめます
FAXの注文書は、上と同じ順番の欄を並べた用紙を、こちらから先にお客さまへ送っておくと、届いた紙をそのまま見て表に入力できます。
5自分の表のまま送り状ソフトに取り込む
運送会社のテンプレートに合わせて表を作り直さなくても、自分の表の列の並びを送り状ソフトに覚えさせる方法があります。一度設定すれば、翌年も同じ表のまま取り込めます。
ヤマト:B2クラウドの「新規レイアウト」
- 外部データから発行を開き、「取込みパターン」で新規レイアウトを選び、ファイル選択で自分の表を選びます(csvでもExcelでも可)。
- 表の1行目が見出しなら、「取込み開始行」を2行目にします(初期値は1行目)。
- 左の「レイアウト項目」(例:お届け先電話番号)を選び、右の「データ抜粋(1行目)」から自分の表の該当する列を選んで紐付けを押します。これを必須項目すべてで繰り返します。
- 住所が「都道府県」「市区町村」など複数の列に分かれている場合は、1つ目を紐付けたあと、続きの列を選んで追加で紐付けを押します。
- 「送り状種類」「出荷予定日」「請求先」のように全部の行で同じ値のものは、項目を選んで固定値入力で直接入力します。
- 取込み開始を押し、「取込みパターン名」(全角25文字以内)をつけて登録します。
次からは、「取込みパターン」のプルダウンで登録した名前を選ぶだけで、紐付けなしに取り込めます。なお、削除した取込みパターンは元に戻せないとヤマトのFAQにあります。
佐川:e飛伝Ⅲの「独自テンプレート」
e飛伝Ⅲでは、取り込みのときの項目の対応づけ(マッピング)を「テンプレート」として保存できます。送り状データ取込のテンプレート選択で「新規に作成する」を選び、編集取込を押すと、自分の表に合わせた独自テンプレートを登録できます。2回目からは、登録したテンプレートを選びます。独自テンプレートは100件まで登録できます。
ゆうパック:Webゆうパックプリント
アップロードのときに「ファイル変換定義」を選ぶ仕組みです。今回確認した日本郵便の手順書では、標準フォーマットと旧システムの形式の説明が中心でした。迷ったら、日本郵便のサンプルファイル(yupack_sample.csv)の並びに合わせるのが確実です。
6お客さまごとの控えと、去年の届け先
注文控えを作って、お客さまに確認を送る
表をご依頼主で並べかえると、お客さまごとの注文の一覧になります。届け先の数、品物、合計の金額をまとめて、LINEで送り返しておくと、言った言わないを防げます。
確認メッセージの見本
去年の届け先を使い回す
贈答の届け先は、毎年ほとんど同じです。注文の表は年ごとに保存しておき、翌年は去年の表をコピーして、変更のあった人だけ直すと早く済みます。ヤマトのB2クラウドには、Excelなどで作った住所録を「お届け先マスタ」として一括登録する外部データの登録もあります。どちらの場合も、引っ越しや名前の変更がないかは毎年お客さまに確かめましょう。
7よくある間違い
- ご依頼主と届け先が逆:贈り主の住所に荷物が届いてしまいます。表の列名をはっきり分けておきます。
- 1つのメッセージに届け先がまざっている:「①」「②」や「お届け先1」で区切ってもらうと、行に分けやすくなります。
- 名前に「様」まで入れる:送り状で「様様」になることがあります。
- 使えない漢字:「髙」「﨑」などは、送り状ソフトで取り込めないことがあります(置きかえの例)。
- 着日の指定が早すぎる:収穫や出荷の予定より前の日付になっていないか、表にする時点で確かめます。
出典
いずれも2026年10月29日確認。
- ヤマト運輸「B2クラウドで、オリジナルのExcel・CSVデータを使用して送り状を発行したい。」(FAQ 1156:新規レイアウト、紐付け、追加で紐付け、固定値入力、取込みパターン) https://b-faq.kuronekoyamato.co.jp/app/answers/detail/a_id/1156
- ヤマト運輸「Excelで作成した住所録などを『外部データの登録』でB2クラウドのマスタに一括登録したい。」(FAQ 407) https://b-faq.kuronekoyamato.co.jp/app/answers/detail/a_id/407
- ヤマト運輸 B2クラウド 基本レイアウトテンプレート(必須項目・配達時間帯) https://bmypage.kuronekoyamato.co.jp/bmypage/newb2web_template1.xls
- 佐川急便「e飛伝Ⅲ 操作マニュアル(飛脚宅配便)」2026年9月28日更新(補足:テンプレートの種類と設定方法) https://e-hiden3.sagawa-exp.co.jp/help_nsx/manual-takuhai.pdf
- 日本郵便「Webゆうパックプリントサービス CSVアップロードご利用手順」 https://www.post.japanpost.jp/web-yu-packprint/contents/manual/Web_upload.html
この記事は、各社が公開している資料をもとに運営者がまとめたものです。運営者はヤマト運輸・佐川急便・日本郵便とは関係がありません。画面の名前や仕様は変わることがあるため、実際の操作は各社の最新の案内で確かめてください。