東京都 宿泊税 2027年改正
東京都の宿泊税、民泊も2027年4月から:対象・税率・13,000円の線・12月末までの手続き
東京都の宿泊税は、これまで旅館・ホテルだけにかかっていました。2027年(令和9年)4月1日の宿泊からは、簡易宿所と民泊(住宅宿泊事業の「新法民泊」と「特区民泊」)も対象になり、税率も変わります。民泊のホストが知っておきたい点を、東京都主税局の資料をもとにまとめました。
先に結論
- 2027年4月1日の宿泊から、都内の民泊(新法・特区)と簡易宿所も宿泊税の対象です。予約した日ではなく、泊まる日で決まります。
- 1人1泊の宿泊料金が13,000円未満なら課税されません。13,000円以上なら、宿泊料金(100円未満は切り捨て)の3%です。
- 宿泊料金には清掃料や予約サイトの手数料も含みます。食事代と消費税は含みません。
- 民泊の経営者は「特別徴収義務者」として都に登録し、毎月、翌月末日までに申告・納入します。都は民泊・簡易宿所に2026年12月末までの登録申請を呼びかけています。
1何が変わるのか(改正前と改正後)
| 2027年3月31日まで | 2027年4月1日から | |
|---|---|---|
| 対象の施設 | 旅館・ホテル | 旅館・ホテル、簡易宿所、民泊(新法民泊・特区民泊) |
| 課税されない宿泊 | 1人1泊 10,000円未満 | 1人1泊 13,000円未満 |
| 税率 | 10,000円以上15,000円未満:100円 15,000円以上:200円 | 宿泊料金の3% |
| 申告・納入 | 特別徴収義務者が、宿泊した月の翌月末日までに申告・納入 | |
| 3か月ごとの特例 | 納入額が年120万円以下などの条件あり | 納入額の条件をなくし、年4回申請できるように |
宿泊税を負担するのは泊まるお客さまですが、お客さまから預かって都に納めるのは施設の経営者です。この役割を「特別徴収義務者」といいます。経営者とは、営業の許可や届出の名義にかかわらず、営業の損益が最終的に帰属する人のことです(主税局の登録の案内)。
2「1人1泊13,000円」の数え方
13,000円の線は、宿泊者1人あたり、1泊あたりの宿泊料金で判断します。部屋の料金のままではありません。
宿泊料金に含めるもの・含めないもの
| 含める | 含めない |
|---|---|
| 宿泊料、寝具使用料、冷暖房料など | 食事代・飲食代 |
| 清掃料など、宿泊者に一律に請求する料金 | 駐車場の利用料 |
| サービス料 | 消費税・入湯税などの税金 |
| 旅行業者や予約サイトの手数料 | チップ・心付けなど任意で払うもの |
予約サイトを通して受け取る料金でも、宿泊の対価としてお客さまに請求するものは宿泊料金に含みます(主税局 よくある質問Q33)。都の税率表は「1人1泊 税抜き」の金額で書かれています。
割り算のしかた
- 1回の予約で受け取る宿泊料金(清掃料などを足す)を、泊数で割って1泊分にする
- 1泊分を、宿泊者の人数で割って1人分にする
- 13,000円以上なら、100円未満を切り捨ててから3%をかける
- その税額に、延べの人数(人数×泊数)をかける
子どもでも、1人1泊の宿泊料金が基準額以上なら宿泊税がかかります(Q31)。料金のかからない乳幼児をどう数えるかなど、迷うときは都税事務所に確かめてください。
3計算例
どれも2027年4月1日以降の宿泊で、料金は消費税を含まない金額、食事なしとしています。
例1:1泊30,000円(清掃料込み)を2人で
- 30,000円 ÷ 1泊 ÷ 2人 = 15,000円(13,000円以上なので課税)
- 15,000円 × 3% = 450円(1人1泊)
- 450円 × 2人 × 1泊 = 900円
例2:2泊。宿泊料1泊24,000円+清掃料6,000円を2人で
- (24,000円 × 2泊 + 6,000円) = 54,000円
- 54,000円 ÷ 2泊 ÷ 2人 = 13,500円(課税)
- 13,500円 × 3% = 405円(1人1泊)
- 405円 × 延べ4人泊(2人×2泊) = 1,620円
例3:例2と同じ料金で4人が泊まった場合
- 54,000円 ÷ 2泊 ÷ 4人 = 6,750円
- 13,000円未満なので課税されない(0円)
同じ部屋・同じ料金でも、人数によって課税されたりされなかったりします。人数を固定した「1予約○円」の決め方では合わないことがあるのは、このためです。
例4:1人1泊13,550円(主税局Q28の例)
- 100円未満を切り捨てて 13,500円
- 13,500円 × 3% = 405円(13,550円×3%の406.5円ではありません)
42026年12月末までの手続き(特別徴収義務者の登録)
主税局は「民泊・簡易宿所を経営されている方は、令和9年4月の制度改正に向け、令和8年12月末までにお手続をお願いいたします」と案内しています。年度末は申請が混み合うことが見込まれるためです。改正の対象となる施設からの事前の登録申請は、2026年7月1日から受け付けています(Q32)。
出すもの
- 宿泊税特別徴収義務者登録申請書(主税局のページからダウンロード。記載の手引きあり)
- 経営者が個人の場合は住民票の写し(法人は不要)
- 新法民泊の場合は、届出者名・届出番号・建物の所在地がわかる書面(届出番号通知書や、民泊制度運営システムの画面の写しなど)。特区民泊は特定認定書
- 宿泊約款(キャンセルポリシーなど宿泊契約の書面でも可。Webページの印刷も可)
- 宿泊料金表(1人1泊13,000円以上の宿泊が発生することがわかるもの。Webページの印刷も可)
- 経営や管理を委託している場合は、経営委託契約書・管理委託契約書など
添付書類は写しでかまいません。都内に住所がない場合は、納税管理人の届出もあわせて出します。
出し方
- 電子申請(eLTAX):自宅などから手続きできます。
- 郵送:千代田都税事務所 事業税課宿泊税担当(〒101-8520 東京都千代田区内神田2-1-12)
- 持参:千代田都税事務所のほか、各都税事務所・支所の窓口でも出せます。
登録されると「特別徴収義務者証票」が届き、宿泊者に見えやすい場所に掲示します。都の事業者向けチラシ(2026年7月発行)では、2027年2月末までに申請した人には、3月末までに証票を発送する予定とされています。
登録しなくてよい施設
次の両方にあてはまる施設は、登録がいりません。
- 料金の設定などから、1人1泊13,000円以上の宿泊がない
- 宿泊税が1年を通して発生しないことが確実
主税局のQ9では、ツインやダブルを1人で使う場合など、泊まり方によって基準以上になる可能性があるときは登録が必要とされています。民泊では、少人数の予約や繁忙期の料金で13,000円をこえることがあります。料金表と過去の予約を見て判断してください。
52027年4月からの毎月の申告
- 期限:各月1日から末日までの宿泊分を、翌月の末日までに申告し、納入します。末日が土日祝日なら翌開庁日です。最初の4月分の期限は、2027年5月31日(月)になります。
- 宿泊がない月・税額が0円の月も、登録している人は申告書を出します(Q16)。今後も宿泊税が発生しない見込みなら、登録の解除を申し出ることができます。
- 出すもの:主税局の改正内容の表では、改正後の提出書類は「宿泊税納入申告書」と「施設別明細書(合算申告のときだけ)」とされています。改正前に出していた「月計表」は、改正後の欄に挙がっていません。様式と手引きは順次公開される予定です(2026年10月29日時点で一部準備中)。
- 帳簿:改正後は、宿泊年月日・宿泊者数・宿泊料金・課税対象となる宿泊料額・宿泊税額などを帳簿に記載し、7年間保存するとされています(Q10)。月計表を出さない場合でも、日ごとの記録は必要です。
- 3か月ごとの特例:改正後は納入額の条件がなくなり、年4回申請できます。たとえば4〜6月の申告(3〜5月宿泊分)から使うなら1月末まで、7〜9月(6〜8月宿泊分)からなら4月末まで、が申請の期限です。申請月とその前2か月の申告を期限内に出していることなどが条件です。
- 領収書:お客さまに渡す領収書には、「宿泊税」の名称と額を表示するよう求められています(Q41)。
- 申告書の提出も、eLTAXの電子申告に対応しています。電子申告した場合は電子納税もできます。
日ごとの集計や月計表の書き方は、宿泊税の月計表の書き方(東京・京都・大阪・福岡・札幌)で説明しています。
6これからの日程
| 日付 | できごと |
|---|---|
| 2026年7月1日 | 簡易宿所・民泊からの登録申請の受付が始まった |
| 2026年12月末 | 都が民泊・簡易宿所に登録申請を呼びかけている時期 |
| 2027年1月末 | 3か月ごとの特例を4〜6月の申告から使う場合の申請期限 |
| 2027年2月末 | この日までの申請なら、3月末までに証票を発送予定(チラシ) |
| 2027年3月31日 | 東京観光財団のシステム導入改修の補助金、申請受付の締め切り |
| 2027年4月1日 | この日の宿泊から課税(予約した日は関係なし) |
| 2027年5月31日 | 4月宿泊分の申告・納入の期限 |
2027年4月1日以降の宿泊は、予約した時期にかかわらず改正後の税率がかかります(Q29)。いまOTAで販売している2027年4月以降の日程の予約は、宿泊税をどう受け取るかを早めに決めておく必要があります。
7OTA・補助金・定期報告
AirbnbなどのOTAで売っている場合
2026年10月29日時点で、Airbnbが宿泊税を代わりに徴収・納付している地域の一覧に日本は入っていません。Airbnbの「カスタム税金ツール」で宿泊税をお客さまから集めることはできますが、申告と納入はホストが行います。13,000円の線と3%を、ツールの設定だけで正しく表すのは難しく、集めた額と納める額がずれることがあります。くわしくはAirbnbで宿泊税を集めても申告は自分で:ずれる理由にまとめました。
システム導入・改修の補助金
公益財団法人東京観光財団が、宿泊税の改正に対応するためのシステム導入・改修の費用を補助しています(補助率3分の2以内、上限は1事業者200万円・1施設50万円。申請受付は2027年3月31日まで、予算に達したら終了)。PMSや予約管理システムの設定変更を考えている場合は、対象になるか財団の手引きで確かめてください。同財団のページでは、申告に必要な様式を簡単に作れるアプリの提供予定も紹介されています。
民泊新法の「定期報告」とは別の手続き
住宅宿泊事業者は、宿泊税とは別に、2・4・6・8・10・12月の15日までに、前の2か月の宿泊日数・宿泊者数・延べ宿泊者数・国籍別の内訳を報告します(住宅宿泊事業法第14条、同法施行規則第12条)。数える対象は似ていますが、宿泊税の申告とは期限も出し先も違います。
出典
いずれも2026年10月29日確認。
- 東京都主税局「宿泊事業者のみなさまへ」(改正内容の表、登録の呼びかけ、申告・納入の流れ、郵送先) https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/leisure/shuk/jigyousha
- 東京都主税局「よくある質問(宿泊事業者向け)」Q9・Q10・Q14〜Q16・Q28・Q29・Q31〜Q33・Q41 https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/leisure/shuk/jigyousha/qa
- 東京都主税局「宿泊事業者のみなさまへ 宿泊税の手続きをお願いします!」(事業者向けチラシ、令和8年7月発行) https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tax/shukuhakujigyousha_chirashi
- 東京都主税局「宿泊事業者のみなさまへ 宿泊税特別徴収義務者登録 編」(令和8年6月作成) https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/tax/shukuhakujigyousha_tourokuhen_pdf
- 公益財団法人東京観光財団「観光関連事業者デジタルシフト応援事業(宿泊税システム導入改修費補助)」 https://www.shukuhaku-zei.tokyotourism-onestop.jp
- Airbnb ヘルプセンター「Airbnbによる税徴収・納付代行が可能な地域」 https://www.airbnb.jp/help/article/2509
- 住宅宿泊事業法施行規則 第12条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/429M60000900002
この記事は、東京都主税局などが公開している情報をもとに運営者がまとめた一般的な情報で、税務の助言ではありません。宿泊税の申告・納入は、特別徴収義務者であるご自身が行うものです。個別の扱いは、千代田都税事務所 事業税課宿泊税担当(03-3525-7183)か税理士に確かめてください。運営者は東京都・Airbnb・東京観光財団とは関係がありません。